こんにちは、カメラギアセレクト管理人のユウです。
レンズの中にクモの巣のような模様や白っぽい汚れを見つけると、「カビ取りだけなら数千円で済むのかな」「修理するくらいなら中古レンズを買い直したほうがいいのかな」と迷いやすいところです。
ところが、カメラレンズのカビ取り料金には全国共通の定額料金がありません。
表面の軽いカビを清掃するだけなのか、鏡筒を分解して内部のレンズ群まで清掃するのか、さらにレンズ交換まで必要なのかによって金額が大きく変わります。
メーカー公式料金を見ても、数千円のメンテナンスサービスと、数万円から10万円を超えることもある内部修理はまったく別です。
内部カビが疑われるなら、無理に分解せず、まず修理可能かと正式な見積額を確認することが大切です。
そのうえで、修理料金だけを見るのではなく、送料や部品代まで含めた修理総額と、同じレンズまたは代替できる中古・新品レンズの価格を比べていきます。

記事のポイント
- カメラレンズのカビ取り料金の目安
- 表面清掃と内部カビ修理の違い
- 修理と買い替えを比べる判断基準
- 自分で分解するリスクと再発予防
カメラレンズのカビ取り料金
最初に押さえておきたいのは、「カビ取り○円」という共通料金があるわけではない点です。
メーカーによって料金体系が異なり、同じメーカーでもレンズの構造や必要な部品によって修理費が変わります。
特に内部カビは、一般的な外観清掃よりも作業範囲が広くなるため、金額だけでなく修理区分を見ることが重要です。
一律料金では決まらない
カメラレンズのカビ取り料金を左右する大きな要素は、カビがどこに発生しているかです。
前玉や後玉の外側など、外から触れられる場所に付着した軽い汚れであれば、分解せずに清掃できる可能性があります。
一方、レンズ内部にカビが入っていれば、鏡筒を分解してレンズ群を取り外し、清掃後に組み直さなければなりません。
AFや手ブレ補正機構を搭載するレンズでは、単にガラスを拭くだけでは終わらず、組み立て後の動作確認や光学性能の確認が必要になることもあります。
料金を左右する主な項目
カビの位置、レンズ構造、分解範囲、交換部品の有無、AFや手ブレ補正機構の状態、修理部品の在庫状況などによって最終的な費用が決まります。
そのため、「レンズのカビ取りは1万円くらい」といった一律の相場だけで予算を決めると、実際の見積額との開きが大きくなるかもしれません。
キタムラはメーカー見積り
カメラのキタムラでは、交換レンズの普通修理について約27,000円前後という料金目安が案内されています。
ただし、ここで注意したいのがカビは普通修理ではなく重修理に分類されていることです。
重修理には、落下による破損、カビ、液体かかり、複雑な機構の修理、精密検査などが含まれ、料金はメーカー見積りとなります。
| 修理区分 | 主な内容 | 交換レンズの目安 |
|---|---|---|
| 普通修理 | 分解を必要とする一般機能修理 | 約27,000円前後 |
| 重修理 | カビ・落下破損・液体かかりなど | メーカー見積り |
つまり、「キタムラなら27,000円でカビを取ってもらえる」という意味ではありません。
カビの位置や程度を確認したうえでメーカー側が料金を算出するため、最終金額は現物を見てもらわないと分からないケースがあります。
保証外修理では修理取次手数料がかかる場合もあるため、修理料金だけでなく受付時に総額を確認しておくと安心です。
修理額と買い替え額を比較するときは、カメラのキタムラで保証条件を確認しながら同型や後継の中古レンズを比較すると、正常品を買い直す場合の金額をつかみやすくなります。
PR
カメラのキタムラで中古カメラを探す|在庫・状態・保証を比較
中古カメラを選ぶなら、価格だけでなく商品の状態、付属品、保証内容まで確認することが大切です。
カメラのキタムラでは、ミラーレス、一眼レフ、交換レンズなどの中古在庫を探せます。
欲しい機種が決まったら、現在の中古カメラ在庫や商品の状態を確認して比較してみてください。
※中古品は在庫、価格、商品の状態が随時変わります。
リンク先で最新情報をご確認ください。
タムロンの重修理料金
メーカー公式情報の中で、カビの扱いが特に分かりやすいのがタムロンです。
タムロンでは修理を「軽修理」「普通修理」「重修理」に分け、カビ・ゴミ・クモリを重修理として明記しています。
そのほか、浸水、砂や泥の入り込み、ショック品、オーバーホールなども同じ重修理の区分です。
| レンズ | カビを含む重修理目安 |
|---|---|
| AF70-300mm F/4-5.6 Di A17 | 18,000~24,000円 |
| 20mm F/2.8 Di III F050 | 26,000~32,000円 |
| 28-75mm F/2.8 Di III RXD A036 | 36,000~41,000円 |
| 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD B070 | 35,000~47,000円 |
| 70-180mm F/2.8 Di III VXD A056 | 61,000~67,000円 |
| 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 A065 | 77,000~99,000円 |
| 12-20mm F2.8 A084 | 95,000~122,000円 |
ここから分かるのは、カビを含む重修理だけでも、レンズによって2万円弱から10万円を超える目安まで幅があることです。
ただし、この金額をそのまま「カビ取り料金」と呼ぶのは正確ではありません。
重修理にはカビ以外の症状も含まれており、実際の修理費を保証する料金表ではないからです。
正確な料金は現物診断後の見積りで確認してください。
◆ユウのワンポイントアドバイス
料金表を見るときは、安い数字だけを探すより「その金額が表面清掃なのか、分解修理なのか」を先に確認したほうが分かりやすいですよ。
カビの場合、この違いだけで費用感が大きく変わります。
キヤノンと富士の料金
キヤノンや富士フイルムには、比較的安価な点検・クリーニングサービスがあります。
ただし、こうした料金を内部カビの分解修理料金と混同しないようにしましょう。
| メーカー | サービス | 料金目安 | 主な位置付け |
|---|---|---|---|
| キヤノン | あんしんメンテ スタンダード | 5,500円 | 基本点検・清掃 |
| キヤノン | 交換レンズ プレミアム | 8,800円~ | 精度点検・清掃 |
| キヤノン | RF・EFオーバーホール | 24,200円~ | 分解を伴う整備 |
| 富士フイルム | Xメンテナンス | 2,200円 | 表面清掃・動作点検 |
| 富士フイルム | Xメンテナンスプロ | 5,500円 | 光学性能などの精密点検 |
富士フイルムのXメンテナンスでは、Xマウント交換レンズの前玉・後玉表面清掃や外装清掃、AF・絞りなどの動作確認が行われます。
故障が見つかった場合は別途修理の案内となるため、内部カビを数千円で分解清掃するサービスではありません。
キヤノンも同様で、レンズ表面の清掃で除去できる程度の軽いカビと、内部まで入り込んだカビでは対応が異なります。
修理費の差が大きい理由
同じ「カビ取り」という言葉でも、実際には作業内容がかなり違います。
数千円の清掃サービスと数万円の分解修理が並んでいると料金差が分かりにくく見えますが、何をしているのかを見ると違いが見えてきます。
数千円の清掃は別サービス
数千円程度のメーカーサービスでは、レンズ表面の清掃や外装清掃、電子接点の確認、AFや絞りの動作確認などが中心になるケースがあります。
このようなサービスは、日常的な点検や軽度の汚れを落とす目的では便利です。
しかし、内部レンズまで分解してカビを除去する修理とは作業工程が異なります。
「クリーニング料金=内部カビ取り料金」ではありません。
2,000円~5,000円台のメンテナンス料金を見つけても、そのサービスに内部レンズの分解清掃が含まれているかを必ず確認してください。
特にネット検索では、「レンズ清掃」「レンズクリーニング」「カビ取り」が同じ意味のように並ぶことがあります。
料金だけで比較せず、作業範囲まで見るのがポイントです。
内部カビは分解が必要
内部カビでは、レンズを分解しなければ対象面へ届かないことがあります。
鏡筒を開けてレンズ群を取り外し、対象部分を清掃し、元どおりに組み直す作業が必要です。
さらに、AFや絞り、手ブレ補正などの機構を持つレンズでは、組み立て後に各機能が正常に作動するかも確認しなければなりません。
高性能ズームになるほど内部構造が複雑になりやすく、修理費が高くなる一因になります。
また、カビが付着しているレンズそのものを清掃できても、腐食が進んでいたり、コーティングへ影響が出ていたりすれば部品交換が必要になる可能性があります。
この場合は作業工賃だけでなく交換部品代も加わります。

完全に元へ戻らない場合
カビ取りを依頼すれば、必ず新品同様の透明な状態に戻るとは限りません。
カビそのものを除去できても、長期間付着していたことでレンズ表面に跡が残っている場合があります。
また、白っぽく見える症状が実はカビではなく、コーティング劣化、接着層の劣化、クモリなどであれば、単純な清掃だけでは改善しないこともあります。
見積り時に確認したいこと
「カビは除去できるか」だけでなく、「清掃後に跡が残る可能性」「部品交換が必要か」「光学性能へ影響が残る可能性」まで確認しておくと判断しやすくなります。
修理か買い替えかの判断基準
カビを見つけたときに一番悩むのが、修理するか買い替えるかでしょう。
ここで「修理費が新品価格の半分を超えたら買い替え」といった一律ルールを使うのはおすすめできません。
メーカー各社が共通して定めた50%基準や30%基準があるわけではないためです。
正式な修理総額と、正常な代替レンズを手に入れる総額を並べて比べるほうが現実的です。
修理総額と中古相場を比べる
修理か買い替えかを判断するときは、修理基本料金だけではなく総額で見ます。
例えば、修理代が25,000円でも、別に部品代、送料、取次手数料などが必要であれば、実際の支払額はそれより高くなります。
一方、同じレンズの正常な中古品が30,000円台で購入できるのであれば、修理と買い替えの差がかなり小さくなるかもしれません。
逆に、正常な中古相場が100,000円以上するレンズを30,000円程度で修理できるなら、修理のほうが費用を抑えられる可能性があります。
| 比較する金額 | 含めたい費用 |
|---|---|
| 修理総額 | 修理工賃・部品代・送料・取次料・見積料など |
| 中古買い替え総額 | 本体価格・送料・保証条件・必要な付属品など |
| 新品買い替え総額 | 新品価格・後継機との差・保証内容など |
修理費だけでなく、買い替えた場合に付く保証も金額差の一部として考えると判断しやすいです。
分解修理と交換を比べる
PanasonicのLUMIXでは、一部レンズについて分解修理、再生品交換、新品交換の目安金額を並べて公開しています。
| レンズ | 分解修理 | 再生品交換 | 新品交換 |
|---|---|---|---|
| LUMIX S 50mm F1.8 | 21,000円 | 28,000円 | 33,000円 |
| LUMIX S 85mm F1.8 | 22,000円 | 29,000円 | 45,000円 |
| LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 | 40,000円 | 57,000円 | 90,000円 |
| LUMIX S PRO 50mm F1.4 | 78,000円 | 109,000円 | 172,000円 |
この料金を見ると、レンズごとに修理と交換の差額がかなり違うことが分かります。
LUMIX S 50mm F1.8の例では、分解修理21,000円と新品交換33,000円との差は12,000円です。
一方、S PRO 50mm F1.4では分解修理78,000円、新品交換172,000円で、差額は94,000円あります。
つまり、「修理費が2万円だから修理」「8万円だから買い替え」と金額だけでは決められません。
レンズ自体の価値との比較が必要です。
修理受付と部品保有を確認
古いレンズでは、料金を調べる前にメーカーがまだ修理を受け付けているか確認してください。
カメラメーカーやレンズメーカーは、製品ごとに修理対応期間や修理受付可能製品を設けています。
修理受付期間が終了していたり、必要なレンズ群やAF駆動部品が払底していたりすると、カビを除去できる技術があってもメーカー修理を受けられないことがあります。
特に一眼レフ時代の旧型EFレンズ、Fマウントレンズ、古いサードパーティーレンズなどは要確認です。
その場合、オールドレンズを扱う独立系修理業者へ相談する方法もあります。
ただし、部品交換を必要とする故障では、独立系修理店でも対応できないケースがあります。
カビ以外の故障も確認する
修理に出すなら、カビ以外の状態も一緒に確認してもらうと判断しやすくなります。
AFが不安定、絞り羽根が動かない、手ブレ補正が異常、ズームリングが重い、内部に大きなクモリがある、といった症状が重なると修理総額が増える可能性があります。
カビだけなら修理するつもりだったものの、複数箇所の部品交換まで必要になれば、正常な中古品との価格差が縮まることもあるでしょう。
見積りではカビ以外も確認
AF、絞り、手ブレ補正、ズーム機構、解像状態、クモリなども含めた総合的な状態を確認すると、修理後に別の故障へ追加費用をかけるリスクを減らしやすくなります。
高額レンズは差額を見る
大口径ズームや望遠レンズなど、中古でも高値を保っているレンズでは、修理費が数万円になっても買い直すより安いケースがあります。
反対に、旧型の標準ズームなど、中古価格がかなり下がっているレンズでは、分解修理料金が正常な中古品価格に近づくことがあります。
そんなときは、元の購入価格ではなく現在いくらで正常品を買えるかを見るのがポイントです。
◆ユウのワンポイントアドバイス
「昔10万円で買ったレンズだから直したい」という気持ちもありますが、比較するときの基準は今の市場価格です。
同型中古だけでなく、性能が近い後継レンズまで見ると選択肢が広がります。
自分でカビ取りする注意点
検索すると、無水エタノールを使った清掃やレンズを自分で分解する方法も見つかります。
ただし、外から触れられるレンズ表面の清掃と、鏡筒内部の分解清掃は分けて考えてください。
表面清掃と分解は別物
前玉や後玉など外側のガラス面に付いた通常の汚れであれば、メーカーが案内する適切な方法で清掃できる場合があります。
ニコンも一般的なレンズ表面の手入れ方法として、シルボン紙とアルコールを使う方法を紹介しています。
しかし、これは内部レンズへ到達するために鏡筒を開ける作業ではありません。
外から見える白い汚れがカビなのか、単なる汚れなのか判断できない場合は、強くこすらず専門窓口へ相談するほうが安全です。
レンズクリーニング用品をそろえる場合も、用途は日常的な表面清掃と考え、内部カビの分解作業へ流用しないようにしてください。
無理な分解は避ける
現代の交換レンズには、電子接点、フレキシブル基板、AFモーター、絞り機構、手ブレ補正ユニットなどが組み込まれているモデルがあります。
分解そのものができたとしても、正確に元へ戻せるとは限りません。
さらに、レンズ群の位置がずれれば、本来の解像性能やピント精度へ影響する可能性もあります。
内部カビは無理に自分で分解しない
特にAFレンズ、手ブレ補正付きレンズ、防塵防滴構造のレンズでは、分解後の調整や密閉状態まで関係します。
高価なレンズほど、まずメーカーまたは修理専門店へ見積りを依頼するほうが安全です。
「自分でやれば数千円で済む」という考えから分解し、別の故障を起こしてしまえば、結果として修理代が増えることも考えられます。
保証対象外になる場合
自分で分解する前に、保証規定も確認しておきましょう。
タムロンでは、指定修理所以外で行われた修理、改造、分解掃除などによって生じた故障について、無償保証の対象外となる条件を示しています。
また、カビそのものについても、使用上の誤りや高温多湿など保管上の不備によって生じた場合、保証期間内でも無償修理にならない可能性があります。
中古販売店の保証でも、カビや保管上の問題を保証対象外としている例があります。
保証期間中だからカビ取りも無料になるとは限りません。
正確な保証条件は、メーカーや購入店の最新規定を確認してください。
カビを放置した場合の影響
カビが小さいと、「撮影できているからこのままでいいかな」と考えるかもしれません。
確かに、ごく軽いカビがすぐ写真に大きな影響を出すとは限りません。
それでも、放置して自然に消えるものではない点には注意が必要です。
写真への影響
キヤノンは、レンズのカビがひどくなると写真の写りにも影響し、解像度が下がったようなぼんやりした写真になることがあると案内しています。
カビの位置や大きさによって影響の出方は異なりますが、コントラスト低下、光のにじみ、白っぽい描写などにつながる可能性があります。
逆光や強い光源が画面に入る状況では、通常撮影より影響を感じやすくなる場合もあります。
さらに重要なのが、カビは放置しても自然に消えないことです。
カビに気付いたら、少なくとも現在の状態を確認し、必要であれば早めに修理相談をしたほうがよいでしょう。
防湿庫ではカビは消えない
防湿庫に入れればカビがなくなる、と考えるのも注意が必要です。
防湿庫は湿度管理をしやすくして、新たなカビの発生や進行を抑えるために使うものです。
すでにレンズ表面へ発生しているカビを物理的に取り除く機能はありません。
つまり、防湿庫は「治療」ではなく「予防」に近い役割です。
カビ取り修理が終わったあとに、再発しにくい保管環境を作るために使うと考えると分かりやすいでしょう。
再発を防ぐ保管方法
レンズのカビ対策では、湿気がこもる環境を避けることが基本です。
湿度の高い屋外で撮影したあとや、雨天撮影をしたあとに、そのまま密閉したバッグへ長期間入れっぱなしにするのは避けたいところ。
機材表面に水分が残っているなら、十分に乾燥させてから保管します。
押し入れや引き出しの奥など、空気が滞留して湿気がこもりやすい場所にも注意してください。
長期間使わないレンズでも、ときどき状態を確認し、ズームリングやフォーカスリングを動かして異常がないか確認するとよいでしょう。
複数のレンズを長期保管するなら、カメラ用防湿庫で保管環境を管理する方法も選択肢になります。

◆ユウのワンポイントアドバイス
防湿庫を買っただけで安心するのではなく、撮影後に濡れた機材を乾かしてから収納することも大事です。
「濡れたまま収納しない」「長期間放置しない」という基本をセットで考えてください。
カビとクモリの見分け方
レンズ内部が白く見えるからといって、すべてカビとは限りません。
カビ、クモリ、バルサム切れなどでは原因が異なり、必要な修理内容も変わります。
この違いを知らずに「カビ取り料金」だけを調べると、見積額が想定と大きく違うことがあります。
カビの特徴
レンズカビでは、糸が伸びたような模様や、クモの巣のような模様、放射状に広がった模様として見えることがあります。
ただし、見た目だけで必ずカビと断定できるわけではありません。
内部のホコリや汚れ、コーティング状態などによって見え方が似ることもあります。
強いライトをレンズへ直接当てて確認すると細かなホコリまで非常に目立つため、「少し見えたから重大なカビだ」と慌てる必要もありません。
中古品の購入や修理判断では、通常の照明環境と撮影結果も含めて確認したいところです。
クモリとバルサム切れ
クモリは、レンズ全体または一部が霧をかけたように白っぽく見える症状です。
原因は一つではなく、内部の汚れ、油分、コーティングの劣化などが関係する場合があります。
バルサム切れは、貼り合わせレンズの接着層が劣化した状態を指します。
これは単純に表面を清掃して改善する汚れとは異なります。
白く見える=カビとは限りません。
カビ、クモリ、コーティング劣化、バルサム切れでは修理方法が異なるため、症状が分からない場合は修理窓口で診断してもらうほうが確実です。
修理依頼前の確認ポイント
レンズを修理へ送る前に、確認しておくと判断が早くなる項目があります。
特に古いレンズでは、先にメーカー修理の受付状況を調べることが大切です。
見積り前に確認すること
最初にレンズの正式な型番を確認します。
同じ焦点距離でも初代と2代目、マウント違いなどで修理受付状況や料金が異なることがあるからです。
次に、メーカー公式サイトで修理受付対象か確認してください。
キヤノンでは交換レンズごとに修理対応期間が公開され、ニコンでも修理受付可能製品の一覧が用意されています。
対応期間内であっても、故障状態や部品在庫によって修理できないことはあります。
修理を依頼するときは、「カビがある」だけでなく、AFや絞り、ズーム、手ブレ補正などで気になっている症状もまとめて伝えると診断が進めやすくなります。
| 確認項目 | 見る内容 |
|---|---|
| 型番 | 世代・マウントまで正確に確認 |
| 修理受付 | メーカーサポートが継続中か |
| カビの位置 | 表面か内部か |
| その他の症状 | AF・絞り・ズーム・手ブレ補正など |
| 修理総額 | 工賃・部品・送料・手数料を確認 |
| 修理後の状態 | カビ跡やクモリが残る可能性 |
買い替え時に確認すること
修理見積りが出たら、その金額だけを見て即決せず、同型の正常な中古価格を確認します。
さらに、後継レンズや似た焦点距離のレンズまで比較すると、修理以外の選択肢が見えてきます。
中古へ買い替える場合は、価格だけでなく光学系の状態や保証内容にも注目してください。
せっかくカビのあるレンズから買い替えるのに、保証のない安価な中古を選び、あとからクモリやAF不良が見つかれば余計な出費につながります。
正常な中古品との差が数千円程度しかないなら、保証内容まで含めて考えたほうが安心でしょう。
判断する順番
メーカー修理が可能か確認する → 正式な修理見積りを取る → 同型中古や代替レンズの価格を調べる → 保証や今後の使用期間を含めて総額で比べる、という流れが分かりやすいです。
カビ取り料金や中古価格は時期、機種、状態によって変わります。
正確な情報はメーカーや販売店の公式サイトをご確認ください。
また、内部カビかどうか判断できない場合や、高価なレンズを分解する必要がある場合は、最終的な判断をメーカーの修理窓口やカメラ修理の専門家へ相談してください。
カビ取り料金のよくある質問
レンズのカビについて特に疑問が出やすいポイントをまとめます。
カメラレンズのカビ取り料金に関するよくある質問(FAQ)クリックすると回答が開きます
Q1. レンズのカビ取りはいくらかかりますか?
A. 一律料金ではありません。
メーカー公式例では、カビを含む重修理で2万円前後から10万円を超えるケースまであります。
レンズ表面の軽度な清掃と、内部を分解するカビ修理では料金が大きく異なるため、最終的な金額は現物診断後の見積りを確認してください。
Q2. キタムラのレンズカビ取り料金はいくらですか?
A. カメラのキタムラでは交換レンズの普通修理に約27,000円前後の目安がありますが、カビは重修理に分類され、メーカー見積りとなります。
そのため、27,000円がカビ取りの定額料金という意味ではありません。
取次手数料なども含め、受付時に総額を確認してください。
Q3. レンズのカビは自分で取れますか?
A. 外から触れられるレンズ表面の汚れなら、メーカーが案内する適切な方法で清掃できる場合があります。
ただし、内部カビは鏡筒の分解が必要になることがあり、AFや絞り、手ブレ補正機構を損傷する可能性があります。
内部カビが疑われる場合は無理に分解せず、修理窓口へ相談するほうが安全です。
Q4. 防湿庫に入れればレンズのカビは消えますか?
A. すでに発生したカビを防湿庫へ入れるだけで除去することはできません。
防湿庫は湿度を管理し、新たなカビの発生や進行を抑えるために使うものです。
すでに内部カビが発生している場合は、必要に応じて清掃や修理を検討してください。
Q5. 修理と中古への買い替えはどちらが得ですか?
A. 金額だけで一律に決めることはできません。
修理工賃、部品代、送料などを含めた修理総額と、同型または代替できる正常な中古レンズの価格を比較してください。
修理額と中古相場が近い場合は、保証のある中古への買い替えも比較対象になります。
一方、高額レンズで買い直す費用との差が大きい場合は、修理のほうが費用を抑えられる可能性があります。
カメラレンズのカビ取り料金は?修理か買い替えかの判断基準まとめ
カメラレンズのカビ取り料金は、カビの位置やレンズの構造によって大きく変わります。
- 内部カビの修理には全国共通の定額料金はない
- 数千円のメンテナンスと内部の分解修理は別物
- タムロンではカビを含む重修理に2万円弱から10万円超の例がある
- キタムラではカビは重修理となりメーカー見積りが必要
- カビ取り後も腐食跡などが残る可能性がある
- 古いレンズは修理受付や部品保有状況の確認が必要
- 修理費と中古相場を総額で比べて判断する
- 内部カビは無理に分解せず専門窓口へ相談する
特に覚えておきたいのは、「修理費が何%なら買い替え」という共通ルールはないことです。
まずメーカーや修理店から正式な見積りを取り、送料や部品代まで含めた金額を確認してください。
そのうえで同型中古、後継レンズ、新品の価格を比べます。

修理総額が正常な中古レンズの相場に近いなら、保証付き中古への買い替えまで含めて比較するのが現実的です。
反対に、買い直すと高額になるレンズで、修理後も長く使える見込みがあるなら、数万円の分解修理にも十分検討する余地があります。
カビを見つけても慌てて分解せず、修理可能か、いくらかかるか、修理後にどこまで状態が戻るか。
この3点を確認してから判断してみてください。